
院長:小林お気軽にご相談ください!


満員電車のドアが閉まった途端に、胸がドキドキして息が浅くなる。またあの感覚が来るのではと思うだけで、外出が億劫になる方もいるでしょう。薬のほかに、手元でできる工夫はないのかと探している最中かもしれません。
こばやし整体院・ひばりヶ丘院の小林です。この記事では、パニック障害のときに手のツボをどう使うか、押すときの注意点、相談を考えたいタイミングについてお話しします。
先に全体像を知りたい方は、パニック障害の症状ページもあわせてご覧ください。この記事では、手首や手のひらなど身近な場所から順にお伝えします。




無理のない範囲で試しましょう
通勤電車のドアが閉まった瞬間、胸の鼓動だけが妙に大きく感じられる。そんな経験をきっかけにこの記事を開いた方も、少なくないと思います。次にまた同じことが起きたらと身構えてしまうのは、ごく自然な反応です。
手首や手のひらのツボなら、吊り革を持ったまま、周りに気づかれずに触れられます。ただ、押せば発作がぴたりと止まる、という性質のものではありません。使い方と限界を、あわせて知っておきたいところです。


まず確認しておきたいのは、ツボ押しが治療そのものではないという点です。薬や通院の代わりにはなりませんし、発作を抑え込む手段と考えると、期待が大きくなりすぎてしまいます。
手首を押すと動悸が和らぐと感じる方がいる一方で、医学的に確立された方法とまでは言えません。意識を向ける先ができて、呼吸が少し深まる。そうした手がかりとして使う、という見方もできます。
薬を自己判断で減らしたり、ツボだけで乗り切ろうとしたりするのは避けてください。主治医の治療と並行しながら、自宅ケアの範囲で取り入れるのが安心につながります。
外出先でも触れやすい場所として、手首の内側から手のひらにかけてのツボがよく知られています。順番に、場所の見つけ方を紹介します。
神門は、手首の内側の横じわ上で、小指側の腱の内側にあるくぼみ。内関は、そのしわから指幅三本ぶんひじ側へ進んだ、二本の腱の間にあります。
神門は不安や緊張が強いとき、内関は胸の圧迫感や動悸が気になるときに使われてきました。東洋医学の考え方に基づくもので、感じ方は体質やその日の状態によって違います。合う場所、合わない場所があって当然です。
労宮は手のひらの中央あたりで、軽く握ったときに中指の先が当たる付近です。郄門は内関から指幅四本ほどひじ側、前腕の真ん中に近い位置にあります。
位置はあくまで目安なので、指先で探って「ここだ」とはっきり分からなくても問題ありません。手首から前腕全体を、親指でゆっくり押しもむくらいの気持ちで十分でしょう。
発作が起きてから探すのではなく、落ち着いている日に位置を覚えておくほうが、いざというときに慌てずに済みます。
押し方は、反対の親指の腹を使い、グイグイ押し込まずに、優しく触れて気持ちいいと感じる程度で大丈夫。息を吐きながら五秒ほどかけて押し、ゆっくり離します。数回繰り返すだけで十分で、左右どちらの手でも構いません。
練習するときは、次の点を守るようにしてください。
押しても落ち着かないときは、ツボにこだわらず、安全な場所に座って休むことを優先してください。薬を指示されている方は、その指示に従います。


ツボは、使う場面によって押す場所と押し方を少し変えておくと、迷わずに済みます。昼間と夜とで、気持ちの向け方も変わってくるものです。
胸がドキドキしてきたら、まず内関に親指を当てて、息をゆっくり吐くところから始めてみてください。吐く息を長めにすると、呼吸の浅さが和らぐ助けになることがあります。
電車の中なら、吊り革を持ったまま反対の手で手首に触れるだけでも構いません。人目が気になる方にも取り入れやすい方法です。ホームで電車を待つ間や、改札を出たあとの数十秒でも試せます。
布団に入っても体が緊張したままで、寝つけない方は少なくありません。そうした夜は、神門と労宮を一分ほど、ゆっくり押す時間を作ってみてください。
毎晩同じ手順で行うと、気持ちを切り替える合図にもなります。ただし、寝る前に強く押すとかえって目が冴えるケースもあるため、軽い圧にとどめるのがよいでしょう。押したあとは照明を落とし、ゆっくり息を吐く時間をとります。
日中でも夜でも、押したあとは手を離して、そのまま数回呼吸を続けてみてください。ツボの刺激だけに頼らず、呼吸を主役にするほうが続けやすいという方もいます。
ツボを押そうとして、かえって発作のことを意識してしまう方もいます。そんなときは、無理に続けない判断も大切です。
押す回数や秒数にこだわらず、手首に触れて息を吐くだけにしてみてください。うまく押せなかったと感じても失敗ではなく、負担になるなら続けなくてよいのです。深呼吸や、足の裏の感覚に意識を向ける方法に切り替えても構いません。
実は、予期不安が続いている方ほど、気づかないうちに手首や肩へ力が入っていることがあります。デスクワークでキーボードを打つ姿勢が重なると、力みはさらに抜けにくくなります。
力みが続くと呼吸が浅くなり、浅い呼吸で動悸を強く感じて、そこからまた不安が増す。こうした悪循環に陥っている方も見受けられます。体の側で起きやすい変化は、次の二つです。
スマホや吊り革を握る手に、無意識の力が入り続ける
肩が上がり、息が胸の上のほうだけで済んでしまう
押す前に、手首から前腕に力みがないかを確かめてみてください。力が抜けた状態のほうが、指を当てたときの感触も分かりやすく、呼吸にも気持ちを向けやすくなります。
次のような場合は、ツボ押しを試す前に、医療機関へ相談したほうがよい状態です。迷ったときも、まず受診を考えてください。
初めて強い動悸や息苦しさが出たとき、強い胸の痛みや失神があるとき、症状が悪化したり長引いたりしているときです。押している最中に胸の痛みが強まったらすぐ中止してください。心臓など別の病気が隠れている可能性もあり、自己判断で様子を見続けるのは避けたいところです。
すでに通院中の方は、ツボ押しを始めたことも主治医に伝えておくと安心です。診断前の方も、相談する目安を知っておくだけで、気持ちが軽くなることがあります。


ツボ押しは発作を止める治療ではなく、不安や動悸が強まりそうな場面で気持ちを落ち着ける補助です。位置を覚え、呼吸と合わせ、受診の目安も頭に置いておきましょう。自分に合う押し方は、少しずつ見つけていけば十分です。
今日は、帰り道の電車で、手首の内側に反対の親指をそっと当てるところから始めてみてください。押さなくても、触れて息を吐くだけで構いません。慣れてきたら、朝の支度や寝る前にも取り入れてみるとよいでしょう。
手首や首肩のこわばり、呼吸の浅さ、日常の緊張も含めて確認したい方は、こばやし整体院・ひばりヶ丘院へお気軽にご相談ください。

